負けない

音大生活開始後、早一週間が過ぎた。

木曜に参加した初授業は、一般に言う「授業」というものではなく、プロとして活動するオーケストラ、「華夏民族楽団」の合同練習だった。自分も、指揮者も、前もって何も知らされていないため、どうしたら良いのか分からず、とりあえず教室横で見学させてもらうことになった。授業開始、先日自分も観に行った中山音楽堂でのコンサートの反省会から始まる。話の内容は作曲家叩きに終始し、しまいには「コンサートの失敗は私たちの責任ではない」との結論に至る。そして練習開始。僕は、楽団というものは合同練習の前に皆パート練習をしてくるものが当然と思うのだが、ここでは違うようだ。聞けば、毎回どの曲を合わせるのかは、授業出席者がそろってみないと分からないとのこと。・・・やはり、団体活動をするにあたっては、日中両国の感覚の溝は大きい。しかし、それでは合同練習に臨む前に下準備のしようがない。自分の演奏レベルと日本人的感覚では、このクラスについて行くのは困難なように思われた。

金曜日は、アンサンブルの授業に参加する予定だった。朝8時開始なので、早起きし、通知されていた教室へ向かった所、誰もいない。教室が変更されている。予測していた事態なので、慌てずに聞き込みを行い、学校の隅にある「臨時レッスン教室」で授業が行われているとの情報を得た。しかし、そこへ行っても誰もいない。立ち尽くしていると、建物の向こうの運動場から騒がしい音楽とアナウンスが流れてくる。「中国音楽学院2008年オリンピック運動会の開会を宣言します」。運動会が、行われている。これは予測可能な線を越えていた。このまま家へ戻るのももったいないので、練習室を借り切り、二胡の練習に打ち込んだ。

散々な一週間だったが、負けない。来週、再チャレンジだ。二胡の担当先生も、本来であれば週中に決まる予定であったが、未だ決まらず。

留学期間中は、練習室が使い放題。ピアノもあり、個室で、誘惑するものもないので、非常に集中できて良い。今日もこれから行ってこよう。

2008北京国際女音楽家大会

標題の大会4日目のイベントとして、中山音楽堂で中国音楽学院華夏民族楽団によるコンサートが開かれた。若手女流作曲家たちによる作品の実験的な発表会、といった演奏会だった。
最近の中国って、どこか奇をてらうものじゃないとウケないのかなぁ?どの曲も、ドロドロの不協和音からなる複雑なものばかりで、なんじゃこりゃ、といった感じ。そういう曲きらいじゃないけど、度が過ぎるとただのまとまりの無い曲にしか聞こえないと思うのだけど・・・。
それでも最後に高胡で出て来た宋飛はさすが。曲はやはり複雑な構成の難曲だったけども、一気に観客を引きずり込んだ。曲の理解って本当に大事なんだ。分からずに弾いていたら、上手でもなにも伝わらないんだなぁ。

華夏民族音楽楽団は、主に我が学院の生徒からなる民族楽器オケ。優秀な生徒を集めて作られているらしいが、時々やる気のなさそうな演奏家もいる。二胡パートだけ見ても、一列目二列目は非常にすばらしいが、後ろの列にはそれ初見か?ってくらい楽譜ばかり見ている人も。でも楽しそう!入れて欲しい。

二胡留学開始


お役所での仕事とも縁が切れ、4月頭に一度帰国していたが、昨日19日、再び北京へ戻った。パスポートの色も2年ぶりに赤にもどり、気が楽になった。気付かないところで重荷になっていたんだなぁ、あの不便な蛙色。

さて、心機一転、これから一年間は中国音楽学院で二胡を本格的に学ぶことになる。民族楽器オケやアンサンブルの授業も存在するようなので、ぜひ参加できるように頑張りたい。一年後は、人前でも堂々と弾けるくらいになれればいい。今はまだ弾いてて恥ずかしいもんな。

北京でテレビをつけると、聖火リレー問題が頻繁に取り上げられていて驚いた。ただ、内容がもうすこし客観的なものだと進歩があるのに・・・。相変わらず中央の正当性を訴え、愛国心を高めるような報道内容が目立つ。これでは解決にはほど遠い。
米某メディアで、オリンピックのスローガン「One World, One Dream」の後に「One Right」をつけてはどうか、と皮肉っている記事があった。「同一个世界 同一个梦想 同一个人权」。漢字で並べてみると、痛烈だ・・・。

激動の2008年、北京。世界で今一番ホットな場所で過ごせるというのも、楽しみの一つ。鳥の巣は今の家から1キロ程度で、ビルの隙間からのぞいている。8月、あそこでどんな歴史的なことが起こるのか。歴史の証人になれる瞬間が近づいている。