「日記帳」カテゴリーアーカイブ

2008北京国際女音楽家大会

標題の大会4日目のイベントとして、中山音楽堂で中国音楽学院華夏民族楽団によるコンサートが開かれた。若手女流作曲家たちによる作品の実験的な発表会、といった演奏会だった。
最近の中国って、どこか奇をてらうものじゃないとウケないのかなぁ?どの曲も、ドロドロの不協和音からなる複雑なものばかりで、なんじゃこりゃ、といった感じ。そういう曲きらいじゃないけど、度が過ぎるとただのまとまりの無い曲にしか聞こえないと思うのだけど・・・。
それでも最後に高胡で出て来た宋飛はさすが。曲はやはり複雑な構成の難曲だったけども、一気に観客を引きずり込んだ。曲の理解って本当に大事なんだ。分からずに弾いていたら、上手でもなにも伝わらないんだなぁ。

華夏民族音楽楽団は、主に我が学院の生徒からなる民族楽器オケ。優秀な生徒を集めて作られているらしいが、時々やる気のなさそうな演奏家もいる。二胡パートだけ見ても、一列目二列目は非常にすばらしいが、後ろの列にはそれ初見か?ってくらい楽譜ばかり見ている人も。でも楽しそう!入れて欲しい。

二胡留学開始


お役所での仕事とも縁が切れ、4月頭に一度帰国していたが、昨日19日、再び北京へ戻った。パスポートの色も2年ぶりに赤にもどり、気が楽になった。気付かないところで重荷になっていたんだなぁ、あの不便な蛙色。

さて、心機一転、これから一年間は中国音楽学院で二胡を本格的に学ぶことになる。民族楽器オケやアンサンブルの授業も存在するようなので、ぜひ参加できるように頑張りたい。一年後は、人前でも堂々と弾けるくらいになれればいい。今はまだ弾いてて恥ずかしいもんな。

北京でテレビをつけると、聖火リレー問題が頻繁に取り上げられていて驚いた。ただ、内容がもうすこし客観的なものだと進歩があるのに・・・。相変わらず中央の正当性を訴え、愛国心を高めるような報道内容が目立つ。これでは解決にはほど遠い。
米某メディアで、オリンピックのスローガン「One World, One Dream」の後に「One Right」をつけてはどうか、と皮肉っている記事があった。「同一个世界 同一个梦想 同一个人权」。漢字で並べてみると、痛烈だ・・・。

激動の2008年、北京。世界で今一番ホットな場所で過ごせるというのも、楽しみの一つ。鳥の巣は今の家から1キロ程度で、ビルの隙間からのぞいている。8月、あそこでどんな歴史的なことが起こるのか。歴史の証人になれる瞬間が近づいている。

Maestro Ozawa


小澤征爾音楽塾、オペラ北京公演、小澤さん付きの通訳を担当。今回の演目はロッシーニの《セビリアの理髪師》。観ていて微笑みが絶えない、世界に知られる喜劇だ。

小澤さん、28日夜は、中国外相の唐家(王+旋)と会食。スケールが違う。いったいどんなお話を。オーボエの宮本文昭さん、チェロの原田貞夫さんといった有名なプレイヤーも同席された。日本に厳しい唐さんに、少しは日本に柔らかく当たってくれとお話してもらえないものか(笑。留学生の切なる願い!

本番直前、小澤さんのタクトは熱を帯び、それは観ているだけで感動する。あぁこれが芸術家なんだと。

指揮台から下りてくると汗びっしょりなので、楽屋に戻ってすぐに着替え。汗で脱ぎにくくなっているので毎回服をひっぱって着替えを手伝い、水分補給のためにお茶を用意する。水は、中国の水だと飲んでくれないので、エビアンを切らさない。日に日に、次に何をしたいのか、少しずつ分かるようになってきた。

通訳してて最も感動した瞬間、それは小澤さんの北京の生家を訪れた時のこと。

リハ終了後の夜、小澤さんが幼少の頃5年間ほど過ごされた北京のお宅へ同行した。その際、今現在の住人から、詩の贈り物が。その内容を通訳し、何度も感動をおぼえた。

「小澤さんの指先から創り出された旋律が、天国のお母様に届く。お母様の感激の涙が地上に降りそそぎ、世界が愛にあふれる」
詩の結びはこんな風。

国慶節の北京保利公演の後は、天津、上海公演。

10月4日@天津大劇院。
朝北京出発→夜北京帰りの日帰りコンサート。天津は観客のマナーも劇場の警備システムも最低。レッドカード並みののサイン攻めを制止するのが大変だった。

10月6日@上海東方芸術センター & 10月7日@上海大劇院。
5日の午前中、上海入り。小澤さんも風邪のため休養を取りつつ、のタイムテーブルだった。公演終了後の7日の夜、上海蟹をおごってもらった。ふと考えれば自分が世界的な指揮者といられることはとても奇跡的。この1週間、小澤さんの横にいられる一分一秒が本当に貴重だった。

追伸:上海では一度おそろしい目に遭遇した。上海入りした5日夜、コンビニに行く路で恐喝された。今までの中国生活で一番あぶなかったな。詳細は控えよう・・・。中国は危険。気をつけましょう。